
死ぬほど快感。映画「X エックス」レビュー
2022年に公開されたホラー映画『X エックス』は、『悪魔のいけにえ』へのオマージュを込めたスラッシャー作品でありながら、過激なポルノ要素を加えることで独自の恐怖と狂気を生み出した一本です。監督はタイ・ウェスト、主演はミア・ゴス。さらに、ジェナ・オルテガやブリタニー・スノウといった実力派キャストが脇を固めています。では、本作の魅力を紐解いていきましょう。
あらすじ
1979年、ポルノ映画で一攫千金を狙う若者たちが、テキサスの田舎町にある古びた農場を撮影のために借りる。しかし、そこには一見穏やかながら不気味な老夫婦が住んでいた。彼らは若さと美しさに異様な執着を見せ、次第に狂気がエスカレート。やがて、撮影クルーは次々と命を狙われることに…。
『悪魔のいけにえ』へのオマージュとポルノ要素の融合
本作は1974年の名作『悪魔のいけにえ』にインスパイアされた作品であり、田舎の孤立した屋敷、異様な住人たち、そして若者たちが次々と襲われる展開など、スラッシャー映画の王道を踏襲しています。しかし、本作の特徴は、ポルノ映画を題材にしている点です。性と暴力の対比が物語に独特の緊張感を生み、単なるホラー映画にとどまらない魅力を持たせています。
老婆のエネルギッシュさが恐怖を倍増
本作で最も印象的なのは、老婆・パールの存在です。一見、ただの弱々しい老女に見えますが、彼女は衰えた肉体とは裏腹に、異様な執着と欲望を持っており、そのギャップが恐怖を増幅させます。そして驚くべきことに、この老婆を演じているのは主演のミア・ゴスが特殊メイクを施して演じたもの。彼女の演技力によって、パールは単なる“恐ろしい老婆”ではなく、一種の哀しさや狂気を内包した存在になっています。
A24初の3部作『X エックス』の魅力
本作は、新興独立系映画会社「A24」の初となる3部作の一作目にあたります。続編として、パールの若き日を描いた『パール』がすでに公開されており、彼女がどのようにして恐るべき存在になったのかが描かれています。そして、3部作の最終章となる『MaXXXine』が2024年6月6日に日本公開予定!これらをすべて見ることで、『X エックス』の持つ狂気と魅力がより深く理解できるでしょう。
まとめ
『X エックス』は、スラッシャー映画の王道を踏襲しつつ、ポルノ業界を舞台にすることで独自の味を加えた作品です。老婆・パールの異様な存在感や、A24が仕掛ける3部作としての展開も見どころ。ホラー映画ファンなら、『X エックス』、そして『パール』と『MaXXXine』の3部作をぜひチェックしてみてください!