『ロングレッグス』レビュー:全世界が騒然!ニコラス・ケイジが魅せる究極の恐怖

久しぶりの映画館で味わう、極上の恐怖体験

久々に映画館でホラー映画を鑑賞してきました。やはり大画面と大迫力の音響で味わう恐怖は格別です!映画は映画館で観るのがいちばんですね~。
本作『ロングレッグス』は、決して派手なシーンはないものの、最初から最後まで張り詰めた緊張感が途切れない極上の恐怖を味わえるホラー映画ファンなら必見の作品でしたよ!

事前情報ゼロで挑んだ結果…「なんだ、このやばいやつは?」

最近はホラー映画ばかりを見すぎて、ストーリーの展開や恐怖の質というものにだんだん慣れてきてしまっている自分がいましたので、今回はあえてあらすじなどの事前情報を一切入れずに観賞することに。すると、冒頭からすでに「これはいつものホラーとはひと味ちがうぞ」という雰囲気がぷんぷん。

シーンと静まり返ったあたり一面雪で真っ白な家の前に、ゆっくりと現れ止まる一台の車。窓からその様子を見ていた女の子が不思議に思って、外に出て車に近寄っていく・・・。
そんなシーンから始まるのですが、このシーンだけでもう不穏な空気でぞくぞくしますよね。(なんかやばいから早く家の中に入って欲しい)、そう思っていると突如現れる顔面真っ白の、文字通り「気持ち悪い」男?女?良く分からない人物。カメラはその人物の顔全体をギリギリ移さない。(うわー、ガチでやばい!)と思うとシーンがオープニングへ。その後いったい女の子がどうなってしまったのかと思いながら映画のストーリーの中に入っていく、という仕掛け。
まさに冒頭からクライマックス。正体の知れない狂気がスクリーンいっぱいに広がり、息が詰まるような恐怖を味わいました。

簡単なあらすじ

FBI捜査官リー・ハーカーは、ある未解決事件の捜査を任されます。それは、父親が家族を殺害し自らも自殺をする10件の殺人事件で、全ての現場には「ロングレッグス」を名乗る人物からの暗号が書かれた手紙が残されていました。犯人は父親ではない、父親を操作している「ロングレッグス」と名乗るやつが別にいる。リーは謎めいた手掛かりを頼りに少しずつ真相に近づいていくのですが、捜査が進むにつれて彼女自身の過去や特殊な能力が関係していることが明らかになっていきます。

ニコラス・ケイジの異様すぎる演技

本作の最大の魅力は、やはりロングレッグスを演じたニコラス・ケイジの怪演に尽きるでしょう。一見しただけでは本当にニコラス・ケイジなのか、信じられません。なぜならば、今までの作品から受ける彼のイメージとはまったく別ものだからです。今までも、ぶっ飛んだ役どころは多く演じたきた彼ですが、本作ではその異様さが凄みを増しています。彼と知らなければ、まったく別の俳優かと思うほどで、おそらくニコラス・ケイジだと言い当てる人の方が少ないと思います。いったい、どのようにこの役を作り出したのでしょう。彼の演技の幅広さを改めて痛感しました。ここでいろいろ説明するよりもとにかく、皆さんもその目で見て確かめてみてほしいです。

ただのシリアルキラーものではない、悪魔的存在が介入

本作の恐怖は、単なるサイコパスの殺人鬼ではなく、もっと得体の知れない邪悪な存在が背後にある点にあるのではないでしょうか。劇中で示唆される「階下の男」とはいったい何者なのか?いや、そもそもコブル(ロングレッグス)はいったい何者なのか?人なのか悪魔なのか? それとも彼自身も、さらに強大な悪魔的存在に操られていた存在なのか?

そして主人公リー・ハーカーの持つ不思議な能力、そして彼女の自宅で起こる怪異や、どこか異常な母親の存在。これらが物語にさらなる不穏さを加え、考察のしどころが満載です。いろいろ謎がありすぎて、再度視聴して、2週目、3週目したら分かることも出てきそうな予感なので、また絶対見ようと思ってます。

そして、ラスト。観客に一縷の希望を与えるどころか、より深い絶望へと突き落とすような衝撃的な結末。やはり悪魔の存在があるのかと思わされ、その悪魔の支配から逃れられない人間の弱さを突きつけられるシーンとなっています。

まとめ:とにかく不穏で、恐怖が尾を引く

本作は、まさに観客の心に長く不気味な余韻を残す作品でした。ニコラス・ケイジの怪演、シリアルキラーの域を超えた邪悪な存在、そしてリー・ハーカーに隠された因縁。観賞後もしばらく「ロングレッグス」の影が頭を離れない、そんな一本でした。是非、皆さんも劇場でご覧ください。