『エスター』映画レビュー:サイコパスの恐怖と母親の愛
皆さん、こんにちは。今回はホラー映画紹介です。今日のホラー映画は「エスター」です。原題は「Orphan」。監督はジャウム・コレット=セラ監督、2009年公開作品です。
あらすじ
物語は、夫婦が子どもを失った後、その亡くなった子どもに代わる存在として「エスター」という名前の9歳の少女を養子に迎え入れるところから始まります。エスターは非常に知的で絵が上手、不思議な雰囲気も持ち合わせていて、夫婦は一目で気に入り、家族へと迎え入れます。しかし、エスターは普通の少女とは違ったのです。次第にエスターの異常な行動と不穏な出来事が起こり始め、少女に隠されていた秘密が明らかになる時、家族に危険が迫るっ!
という内容のとてもスリリングな展開で、彼女の秘密が明かされるシーンはびっくりすること間違いなしです。
エスターのキャラクター
エスターを演じたのはイザベル・ファーマン。彼女の演技は非常に印象的です。独特な雰囲気を持ち合わせている役者さんですが、当時、まだ12歳とは思えない演技で、観客を恐怖のどん底に突き落としてくれます。映画の後半になるにつれ、徐々にエスターの内面と過去が明らかになっていきますが、本当にそういう人なのでは?と思ってしまうほど、キャラクターがハマりすぎていて、彼女の女優としての華々しい私生活が想像できないくらいです。このような現象はスティーブンキング原作の「ミザリー」で主演を演じた、キャシー・ベイツさんを見て以来です。あの方も、他の映画やテレビでお見掛けしてもミザリーの印象が強すぎて、「この人ミザリーじゃなかったんだ」って逆に変な感じがするくらいでした。
もう一人の主人公、ヴェラ・ファーミガ
母親のケイトもこの作品の中で重要な要素の一つです。ケイトは出産で子どもを亡くすという、辛い経験をして、養子を迎え入れることで幸せを見出そうとしますが、次第にエスターの真の姿に気づき絶望します。巧妙なエスターの罠に家族が次々と犠牲になる中、自分の大切な家族を守るために立ち向かう、という展開が観客の心をつかみます。母としての愛情や保護本能に共感し、恐怖に立ち向かう姿を応援したくなるのは万国共通かもしれません。
しかし、こういうサイコパス的なキャラが出てくる映画は、主人公だけがその真実に気付いて、あとの他の人は全員騙されるっていう展開に、必然的になるのかもしれませんが(それがサイコパスの目的だから)見ているともどかしい言うか「なんで気付かないの⁉」って画面に向かって言ってしまいますよね・・・。
まとめ
こちらは2023年に続編が作られています。前日譚なので、時系列的には1作目より前のお話しなんですが、エスターは同じ女優さんが演じているので、これもまた衝撃です。気になる方はどちらも見てみて下さいね。とにかく、ネタバレ注意です!