二度は鑑賞したくない胸糞映画ナンバーワン!:「ミッドサマー」

「ヘレディタリー/継承」に続きまたしてもアリ・アスター監督作品です。「ヘレディタリー/継承」で見せつけた何とも言えない後味の悪さを今作品でも見事に描き出していて、そのレベルはますます勢いを増しています。何度も見たくなるホラー映画とは対照的に、1回見たらもう見たくないといいますか、見られないに近いですが、そのくらいトラウマ級のホラー映画だと思います。

あらすじ

映画は、失意の中にいる主人公ダニーと彼女の恋人クリスチャンが、友人たちとスウェーデンの小さな村を訪れるところから始まります。この村は、外部の世界と切り離された閉鎖的なコミュニティで、独自の風習を守り続けています。一見すると温かく歓迎してくれる村人たち。しかし、彼らの伝統的な儀式が明らかになるにつれ、その裏に潜む狂気が次第に浮かび上がり、衝撃のラストが訪れます。

村の因習と昼間の悪夢

「ミッドサマー」の怖さは「因習に基づく不可解な儀式」と「明るい場所で繰り広げられる異常性」だと言えるでしょう。
村の儀式は、何世代にもわたって続けられてきたものですが、私たちが日常的に知っている価値観とは大きく異なり、強烈な違和感と恐怖を与えます。主人公たちは徐々に今までの常識を破壊され、孤立し、カルトの規範に飲み込まれていきます。何が「正常」で何が「異常」かを疑わざるを得なくなる構成が観客に深い恐怖を与えるのです。
一般的なホラー映画は暗闇や夜の恐怖を利用するものが多い中、ミッドサマーは昼間の眩しい太陽の下で進行する点が特異です。この設定は、観客の安心感を崩し、光の中に潜む恐怖を体感させるという独特な効果を生み出します。青空の下、逃れられない狂気に包まれた村は観る者を深い不安と違和感へと誘います。

メンタルの強い人におすすめ

「ミッドサマー」の恐怖のビジュアル表現は生々しさ全開です。色鮮やかな花々や伝統的な衣装を見せたかと思えば、目を背けたくなるようなショッキングな儀式シーンへと場面転換したりとそのコントラストが脳裏にこびりつきます。特にラスト20分はトラウマ級の衝撃が待っていますので、この映画を観るには、相応のメンタルの強さが求めらそうです。ただし、異文化や因習系ホラーとしては他の追随を許さない不気味さと不快感が秀逸。独特のホラー体験を求める方にはピッタリかもしれません。

是非、覚悟を持って観ることをおすすめします!