
わずか1巻でトラウマ級!望月峯太郎「座敷女」が怖すぎる理由
恐怖の象徴:望月峯太郎先生の『座敷女』
世の中には数多くのホラー漫画が存在しますが、その中でも、望月峯太郎先生の『座敷女』は、わずか1巻という短い物語ながらも、そのインパクトと恐怖は計り知れません。私が初めてこの漫画を読んだのは中学生か高校生の頃だったと記憶していますが、「まじで怖かった」という記憶が鮮明に残っています。
『座敷女』は、1993年に週刊ヤングマガジンに掲載され単行本化された作品。全11話からなる物語で、単行本だと1巻で完結しています。買いやすいし読みやすい、だけどめちゃくちゃ怖い!これから購入を考えている方は迷わず即買いしてください。決して損はしないと思います。
あらすじ
ある夜、大学生の森ひろしは真夜中に隣の部屋のドアがしつこくノックされていることに気づきます。自分の部屋のドアを開けて覗いてみると、そこにはロングヘアーでロングコートを着た大女が立っていました。後日、その大女がひろしの部屋を訪ねてきます。電話を貸してくれというので部屋に入れてしまうひろし。そしてその日を境にひろしは「サチコ」と名乗る大女に付きまとわれるはめに。サチコの異常な行動は徐々にエスカレートしていき、ひろしの周囲をも巻き込んでいきます。はたして「サチコ」は何者で、目的はなんなのか?ひろしは必死で探るのですが…。
サチコの圧倒的な存在感と恐怖
「サチコ」の不気味さはホラー漫画史上、群を抜いています。読み進めるうちに彼女の眼の描写や行動がただただ恐ろしかったです。10代半ばの当時の私にとって、物語の背景やテーマについて深く考察する余裕などなく、「怖い」という感覚だけが強烈だったのを覚えています。サチコの見た目が怖いというのははもちろんですが、なによりもサチコの行動が理解不能であるところが幼い自分にとっても、とても怖かったです。人は分からないこと、理解できないことに恐怖心を持つ生き物です。「こいつはなんなんだ!?」この感覚が最も怖いですよね。
短いからこその凝縮された恐怖
『座敷女』は、長編ではなく、わずか1巻という限られたページ数で描かれています。それにもかかわらず、読者に与える緊張感と恐怖感はこの上ありません。無駄のないストーリーテリングが、恐怖の要素を最大限に引き立てているのです。最後のページに近づくにつれ恐怖は加速し、不安が胸を襲います。物語のラストはなんとも言えない暗澹たる雰囲気を演出していて、当時は「えー!これがラスト!?」って慌てたものです。
貞子のようなシンボル的キャラクター
この大女「サチコ」、別名「座敷女」は、キャラクターが物語から抜け出し、独り歩きして都市伝説のように語り継がれてもおかしくないほどの強烈な印象を与えます。長い顔、長い髪、紙袋とビニール傘…。一度見たら忘れられないインパクトです。まるで映画『リング』の貞子がホラーの象徴となったように、『座敷女』もまた、ホラー界におけるシンボル的なキャラクターとして位置付けられるべき存在でしょう。
読むべきホラー漫画の金字塔
ホラー作品が好きな方はもちろん、短い物語で濃密な体験を味わいたい方にとって、『座敷女』は絶対に外せない一冊です。その恐怖は、ページを閉じた後もなお、あなたの心に深く刻み込まれることでしょう。