SDGsは幻想か?池田清彦の鋭い視点に驚愕
はじめに
今回は池清彦先生の「SDGsの大嘘」をレビューしていきます。
SDGs(持続可能な開発目標)は世界中で注目を浴びており、企業や教育の現場でも広く取り上げられていますが、その実現性や実効性には以前から私も疑問を持っていました。なんだか急に出てきた感がありましたし、もっともなことを掲げている割には「じゃあ、どうやって?」という問いには明確で具体的な方法は書かれていないような気がしていました。漠然となんだか胡散臭いような感じがしていましたが、日本中、いや世界中で取り組んでいることなのだから正しいことなんだろうと思うほかなかったです。本書はそのような疑念に対して、鋭い視点から批判を加え、私のような「SDGsってつまりなんなの?」という疑問を持っている人にとっては、ひとつの回答になりうる本だと思いました。
本書のあらすじ
「SDGsの大嘘」は、SDGsの理念と現実のギャップを浮き彫りにする一冊です。池田先生は、SDGsが掲げる17の目標が、理想論としては魅力的であるものの、実際には達成困難であると指摘しています。環境保護や貧困撲滅といった美しい目標が掲げられながらも、実際の取り組みが企業利益のために歪められている現実を痛烈に批判しています。また、各国の政治的な思惑が絡み、SDGsが理想と現実の間でどれだけ矛盾しているかを具体例を挙げて解説しています。
SDGsへの疑念と本書の主張
本書を読んで、私がかねてから感じていた「SDGsはきれいなお題目のようだが、実際には世界が一丸となって実現するのは難しいのでは」という考えが、池田先生の主張によって裏付けられたように感じました。例えば、環境問題に取り組む姿勢も、国際社会の圧力や企業の広告戦力の一環であり、実質的な改善に結びついていないケースが多いという指摘は非常に納得のいくものでした。SDGsが理想論になりすぎているという視点は、単なる批判にとどまらず、今後の社会のあり方を考える上で重要な視点を提供しています。
共感できる点
池田先生の批判には、単なるネガティブな視点だけでなく、現実を見据えた上での冷静な分析力が多く含まれています。その中で印象に残ったのは、「持続可能」という言葉のあいまいさに対する指摘です。表面上は素晴らしい目標であっても、それを実現するための具体的な方法や、負担を分担する仕組みが欠けていることが問題です。地球上の資源は限られています。それを世界の国々がいわば争奪戦をしているわけです。人口は今や80億人を突破し、2080年代には100億人に達すると試算されています。この有限な資源を、人や野生生物を含めた全世界の生物たちにどのように分配するかが本質的な問題だと指摘しています。
問題提起
SDGsは本当に、私たちの未来を変える力を持っているのでしょうか?それとも、理想を掲げることで現実から目をそらしているに過ぎないのでしょうか?
本書を読んで、自分たちが持続可能の名の下にどのような行動をしていくのかをもう一度見直してみる必要があるのかもしれません。皆さんも池田先生の視点を通じて、SDGsについて考えてみると面白い発見があるかもしれませんよ!