救いなきラストに後悔必至!映画「胸騒ぎ」の不穏すぎる結末
『胸騒ぎ』レビュー:不穏なラストに胸を締め付けられて
今年最初のホラー映画レビューは2022年制作のデンマーク・オランダ合作ホラー・スリラー映画『胸騒ぎ』(原題:Gæsterne、英題:Speak No Evil)です。観たのは去年の年末。ブラムハウス製作でハリウッド版リメイクが公開となったので、まずは原作から観てみようと思ったのですが…。観終わった後に、「なぜこの映画を選んでしまったのだろう?」と後悔させられる、そんな不穏な作品でした。今回は、この衝撃の映画についてレビューしていきます。
不穏なラストに観たことを後悔
物語はデンマーク人のビョルン夫婦とその子どもが、バカンス先で知り合ったオランダ人のパトリック夫婦と夕食を共にするところから始まります。その後、ビョルン夫婦はパトリック夫婦からオランダの田舎の家に招待を受けます。最初は友好的で楽しい雰囲気が描かれるものの、徐々に奇妙で不安定な空気が漂い始め、最後には胸をえぐられるような結末が待っています。そのラストシーンの残酷さに思わず目をそらしたくなり、「観なければ良かった」と後悔。心底、いや~な気分になってしまいました。
絶句するデンマーク夫婦の行動
なぜ、いや~な気分になったのかを説明します。この映画のバッドエンドと言える衝撃的なラストは、ビョルン夫婦の選択次第によってはノーマルエンド、もしくはグッドエンドにも出来たのではないか?と思わせる展開がいくつも散りばめられているからです。特に、子どもが危険にさらされる状況での彼らの無力さには絶句します。「なぜ早く逃げないのか」「どうしてそんな選択をするのか」と思わずツッコミを入れたくなる場面が続き(実際に叫びました)、観ていてストレスを感じるほど。彼らの無防備さが、悲劇を引き起こしてしまうのです。ラストでは、誰もが「おい!戦え!戦えよお!」と言ってしまうはずです。最後にパトリックはビョルンに「おまえがそうさせた」と言い放つのですが、これがこの映画の肝なのですね。「SpeakNoEvil」、直訳すると「悪を語るな」。つまり、悪には関わるな、悪を避けろということ。回避できたであろう事態へのもどかしさと歯がゆさ、ビョルン夫婦へのどこかしら嫌悪感みたいなものが心の底から湧き上がってきました。これが監督の思惑ならしてやられました。
謎すぎるオランダ人夫婦
一方で、オランダ人夫婦の目的や正体は最後まではっきりとは明かされません。彼らが何者なのか、なぜこのような行動をとるのか、一切の説明がないまま物語が進んでいきます。「え?こんなにたくさん〇〇〇しているの?」という驚愕のシーンがあります。「なぜ、捕まらないの?何者?」という疑問が湧いてきます。続編もできそう…。
さいごに
『胸騒ぎ』は、不穏な空気感や救いのない展開に病み、登場人物たちの行動にイライラすること間違いなしです。これをハリウッド版がどのようにリメイクしているのか気になりますが、同じ展開だったら見ない…泣。何故ならラストはあまりにも容赦なく、観たことを後悔するほど。ホラー映画が好きな方にはぜひ挑戦してほしい作品ですが、覚悟を持って臨むことをおすすめします!