『レディ・オア・ノット』- 命がけのかくれんぼ、花嫁と一族の死闘!

今回ご紹介する映画は、『レディ・オア・ノット』(原題: Ready or Not)です。公開は2019年ですが、日本では劇場未公開。その後2020年にDVDが発売され、今はレンタルやNetflixで視聴可能です。

あらすじ

サマラ・ウィーヴィング演じるグレースは、大富豪のル・ドマス一族に嫁ぐことになり、結婚式後に、一族独自の「ゲーム」に参加しなくてはならないと告げられます。これは拒否できない一族の伝統で、通過儀礼なのだと諭され、仕方なく参加するグレース。グレースが自らカードを引いて選んだゲームは「かくれんぼ」。しかし、このかくれんぼは命がけだった!一族は悪魔との契約に縛られ、「かくれんぼ」を引いた新参者を殺さなければ自分たちが滅びると信じています。命を守るため、そして一族の狂気を打ち破るため、必死に戦うグレース!一方、一族も契約違反は、「死」を意味するため、グレースを殺そうと必死です。さあ、生き残るのはどっちだ!?

気になる他のゲームの存在

映画内で、「チェス」や「トランプ」など他のゲームの存在がちらっと言及されます。グレース以外の親族は、これらを選んだから、生き延びて一族に迎え入れられているのだといいますが、そのゲーム内容が気になってしまいます。「かくれんぼ」のカードが出たのも30年ぶりだとか…。なぜ「かくれんぼ」を引いてしまった人だけが殺される運命に?グレースが最悪のカードを引いた不運さが際立ちますね。

一族と花嫁の対決

グレースは恐怖に立ち向かいながら次第にたくましくなり、花嫁としての純白のイメージとは裏腹に、血まみれになりながら生き抜こうとします。最初こそ、従順な花嫁を演じていたグレースですが、汚い言葉で相手を罵り、鬼の形相で襲いかかります。ウエディングドレスのスカートを破いて短くし、素足にスニーカーという新しい花嫁ルックで、銃を手に闘う姿が痛快です。
一方、ル・ドマス一族は悪魔との契約を真剣に信じており、自らの存続のためには残酷な行動も辞さない姿勢。しかしながら、一族はみんなちょっとおバカキャラ。コミカルに描かれている場面もあり、残忍さと滑稽さのバランスが見事。一族が、本当に悪魔と契約しているのかは物語の中盤まで曖昧に描かれます。契約自体は昔のことなので、文明が発達した現代に「悪魔の呪い」なんて本当にあるのかと、みんな半信半疑です。しかし、最後には衝撃の展開が待ち受けておりますので、期待してください!

テンポの良さが魅力

展開自体は予想できる部分も多いものの、テンポの良さと出演者の演技が面白いので、一気に見られる作品です。ブラックコメディとホラーのバランスが取れており、緊張と笑いの緩急が絶妙に描かれています。私は楽しめました。一族の狂気と花嫁グレースの美しくも激しいバトルを、どうぞご覧あれ。