『ソウX』はファン必見!ジョン・クレイマーの真髄は「救済」か「制裁」か

スリラー映画『ソウ』シリーズの第10作『ソウX』は、シリーズ第1作『ソウ』とその続編『ソウ2』の間に位置する物語です。本作では、ジグソウことジョン・クレイマーが仕掛けた、彼にとって最も個人的なゲームの顛末が描かれます。

ジョンとアマンダの絆

本作では、ジョン・クレイマーとアマンダの関係が丁寧に描かれています。時系列的には第1作の直後ということで、アマンダはまだジョンを完全には信じ切れていません。そのため、彼の思想や行動に戸惑いながらも、徐々に絆を深めていく様子が印象的でした。二人の間には不思議な連帯感があり、狂気的ながらも師弟関係のようなものが垣間見えます。

ジョン・クレイマーは『ソウ』に不可欠

『ソウ』シリーズといえば、やはりジョン・クレイマーなくしては語れません。トビン・ベル演じるジョン・クレイマーは圧巻で、彼なしでは『ソウ』は成り立たないと改めて実感させられます。彼のやり方は、一見狂気的で残忍ではありますが、その根底にある信念は「命の価値を問う」というもの。悪行や怠惰な生活を繰り返す不届き物を成敗する、いわば正義の味方的な存在だということもできます。でも、ジョン・クレイマーが友人だったらそれはそれは恐ろしいでしょうね。常に「シャン!」としていないと目覚めたら拘束されていて、「I want to play a game」「Make your choice」って言われてしまうことでしょう。

私の中で、第1作『ソウ』の衝撃を超えることはでき・・・ませんでしたが、しかし!本作ではジョン・クレイマーの狂気の信念がより深く掘り下げられ、彼の内面に迫ることができた点は見応えがありました。彼のゲームが単なる拷問ではなく、一貫した哲学に基づいていることが改めて強調されています。

超閲覧注意!痛みを伴うゲームの数々

『ソウ』シリーズといえば、やはり拷問ともいえるゲームの内容ですね。毎回、良く考えるな~という仕掛けが施されたおぞましい装置の数々が見ものです。本作でもその要素は健在で、思わず顔を歪めて目を背けたくなるようなシーンが満載でした。血と苦痛が交錯する、まさに「痛い」映画です。過激な描写が苦手な方には注意が必要かもしれませんが、シリーズファンならば期待を裏切らないはずです。
超・超・超・閲覧注意!

しかしながら本作でジョンのターゲットとなるのは詐欺師セシリア。彼女に対するゲームの結末がやや生温く感じられたのは、もしかすると『ソウ』の世界に慣れてしまったからでしょうか…。本作の悪代官であるものの、他の人に比べると「痛さ」が足りないな~。ラストの予想外の出来事のせいかもしれませんが、もう少し彼女の苦痛に歪む顔を期待してしまった自分がいました…。

ジョンクレイマーファン必見の第10作

『ソウX』は、シリーズの長年のファンにとって見逃せない作品です。ジョン・クレイマーの狂気の哲学、アマンダとの関係、そして相変わらずの痛みを伴うゲームの数々…。第1作の衝撃を超えることはできなくとも、『ソウ』シリーズの魅力が凝縮された1本となっています。ジョン・クレイマーファンの皆さんは、ぜひチェックしてみてください!