元祖ミッドサマー!ニコラス・ケイジ版「ウィッカーマン」で恐怖を目撃せよ!
今回は2006年公開、ニコラス・ケイジ主演「ウィッカーマン」(原題『The Wicker Man』)をご紹介します。この作品は1973年製作の同名イギリス映画をリメイクしたもので、私はオリジナル版を未見ですが、1970年代にすでに因習系ホラーが存在していたことに衝撃を受けました。まさに元祖“ミッドサマー”と呼べる作品であり、“因習系ホラー”、“禁足地ホラー”、“奇祭ホラー”ジャンルの草分け的な存在と言えるでしょう。
あらすじ
警察官のエドワード・メイラス(ニコラス・ケイジ)は、勤務中に遭遇した痛ましい交通事故の後遺症から幻覚と不眠に苦しむ日々を送っていました。そんな中、かつて姿を消した婚約者ウィローから、娘のローワンが行方不明になったとの手紙が届きます。エドワードは不安を抱えながらも、ウィローが暮らす孤島「サマーアイル島」へと向かいます。その島は女性が支配する独自の奇妙な風習が支配する場所で、携帯電話も通じない隔絶された土地。島民たちは何かを隠しているようで、エドワードは次第に孤立していきます。ローワンの行方を必死に追うエドワード。やがて、エドワードはローワンは既に殺されているか、もしくはこれから殺されるのではないかと確信し、なりふり構わずローワンの救出を試みますが、ラストには衝撃の事実が明かされ…。
絶体絶命のニコラス・ケイジ
怖いですよね~。この自分の常識や価値観が通じないところで孤立してゆく状態って。我らがニコラス・ケイジも、真面目で熱血な警察官ゆえに、しらーっとはぐらかす島民たちとのコントラストが際立って、空回っている様子が痛々しくなってきます。協力的ではない島民たちにいら立ちを覚えながら、洋製「金田一耕助」ばりにチャリを乗り回し、(自分の娘と思われる)ローワンを探しまくる日々。涼しい顔して、冷たい態度の女性たちに、キレまくるニコラス。なんだか、ちょっと、「既に罠にはまっているんじゃないの?感」がひしひしと押し寄せてきますね。いやな予感…。
陰鬱なラスト!ほらね、だから言わんこっちゃない感が満載
物語も中盤を迎える頃、(これはあかんやつや)と観客は気付きます。だって孤島に一人、回りはみんな敵だらけなんですもの。オリジナル版もリメイク版も結末はは同じなようですが、ニコラス・ケイジのリメイク版ではクライマックスの展開が、ややホラーとしては一貫性を失っているとの声もあるようです。オリジナル版のカルト的雰囲気や宗教の持つパワーの怖さよりも、ニコラス・ケイジのエネルギッシュな演技の方が際立ってしまったのかもしれません。ケイジの絶叫がやや笑いを誘う、と酷評を得たとか得ないとか…笑
まとめ
それでも、ニコラス・ケイジの狂気的な演技や、因習系ホラーが見たいという方にはおすすめの映画となっています。「ミッドサマー」を見た方は、是非こちらの作品も見てみてください。