70年代テレビ業界×悪魔降臨!深夜番組が地獄と化すさまを目撃せよ!『悪魔と夜ふかし』レビュー

最近、レンタルして観た映画が思いのほか良かったのでご紹介します!
2023年製作のオーストラリアのホラー映画『悪魔と夜ふかし』です。

あらすじ:深夜番組が地獄への扉を開く

1977年、アメリカの人気深夜番組『Night Owls』の司会者ジャック・デルロイは、視聴率低迷に悩んでいました。彼は巻き返しを図るため、特別ゲストとして超常現象研究家や悪魔憑きの少女リリーを招き、衝撃的な内容の放送を企画します。しかし、この試みは思わぬ事態を引き起こし、スタジオは地獄と化していくことに・・・。番組の冒頭数分で張られた伏線が、ラストに向けてじわじわと恐怖を膨らませていきます。

ジャック・デルロイの過去と因果応報

物語が展開するにつれ、ジャックはかつて名声と成功を求め、悪魔と契約を交わしていたことが判明します。そして、その生贄となったのは彼の最愛の妻でした。今回、番組内で呼び出されてしまった悪魔は、まさにその時の悪魔。つまり、ジャック自身が蒔いた種が、彼のキャリアの終焉とともに実を結ぶ形となってしまったのです。この因果応報の展開が、脚本をより奥深いものにしていると思います。

1970年代のテレビ業界の再現が秀逸

本作の魅力の一つは、70年代のアメリカ深夜番組の雰囲気が細部まで再現されている点です。ザラついた映像、レトロなセット、司会者の軽妙なトーク……。フィルムの質感まで当時のものを思わせる作り込みがなされており、テレビ業界の裏側がリアルに感じられるます。このエモさに浸るだけでも価値がありますよ!

普通じゃない感が際立つリリーの存在

本作のホラー要素を強く印象づけるのが、悪魔憑きの少女リリーです。彼女のどこか異質な雰囲気、視線、話し方が、序盤から不穏な空気を醸し出しています。そして、ついに悪魔が彼女に憑依した瞬間のビジュアルは、鳥肌もの。『エクソシスト』を彷彿とさせる演出ながらも、本作独自の不気味さが際立っています。

超常現象に懐疑的な存在が生む深み

番組には、超常現象を信じない懐疑的なゲストも登場します。彼の視点が入ることで、単なるホラーではなく、超常現象を巡る議論の幅が広がり、ストーリーに厚みをもたらしていると言えそうです。視聴者も「本当に悪魔がいるのか?」「これはただのトリックでは?」と考えながら進むため、リアルな緊張感が生まれています。

まとめ:エモい映像美と緻密な脚本が光る一作

『悪魔と夜ふかし』は、70年代テレビ業界の空気感と、悪魔ホラーが絶妙に融合した作品でした。レトロな映像美とともに、過去と現在が交錯するストーリーが見事に絡み合い、ホラーとしてもドラマとしても楽しめる作品となっています。70年代の雰囲気が好きな人、悪魔憑きジャンルが好きな人、緻密な脚本のホラーを求める人にぜひおすすめしたい一作です!是非、ご視聴下さい!